心の垢離

さしずめ文章の家庭菜園のようなもの。

【舞台ぼっち】ひとりぼっち東京

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行きました。そして帰ってきました。めちゃくちゃ良かったです。

舞台の世界は全くの素人であり、あくまで原作・アニメのファンとしての目線であることをあらかじめ断っておきます。

ことのあらまし

催しの概要はすべて説明してくれている次のリンクに任せる。

https://www.lisani.jp/0000236388/

 

私の人生の中で非常に珍しく東京に行くからにはついでに何かないかと思ったが、そこで特に何もないのが私。たとえば新宿御苑真・女神転生4の聖地のひとつ(東京中そうといえばそうだけど)で興味はあった。しかし暑かったのだ。

 

今回拝見したのは冒頭の画像にもある通り、8月12日の昼公演。当日朝の新幹線に乗ってそのまま日帰りできるゆるゆるスケジュールだ。5月の福岡行き(

 

kokokori.hatenablog.com

 

以来、新幹線は楽だし速いしでとても重宝している。あとは全席で電源が使えれば言うことなしなのだが。

品川駅で山手線に乗り換え、新宿駅で降りて道中の商業ビルに適当に入りレストランで腹ごしらえ。

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会場内は撮影禁止なのでこのくらいしか使えそうな写真がなく、最近の記事でよくやる画像をたくさん貼ってごまかす手法が使えない。さっさと本題に入ろう。

 

開演である。

お話の流れは原作通り、虹夏ちゃんがタイトル回収するところまでで、「星座になれたら」のスライドギターや(結束バンドとしての)新曲などは無かった。

舞台ならではの点を挙げるならば、まずぼっちちゃんのイマジナリーフレンド(舞台版)の存在であろう。本人の複雑な内面を表現しつつステージの絵面(という言葉が適切かわからないが)を盛り上げ、かつ黒衣としての役割まで担う彼女たちは演出・進行の両面でナイス起用というか、とてもうまくハマっていた。

演出に関して細かいことを思い出したので書くが、喜多ちゃんが「キターン」を発するときに照明が客席へ向けられるのはドンピシャだった。物理的に眩しいことで「ヴっ」となるリアクションが正しいことが身をもってよくわかったよね。これはそれだけの話。

アーティスト写真を撮るシーンも楽しい。その場で撮影した写真がスクリーンに出るので、これも細かい点ながら行き届いていて良かったと思う。写真ですら一人だけブレていたりするあたりは、さすがぼっちちゃん。

あと細かいついでに、セリフ以外の仕草や立ち居振る舞いもとても丁寧。中でもぼっちちゃんの舞台挨拶が顕著なのだが、私の目には原作再現度100%以上といって差し支えない仕上がりだった。だいぶ前の方の席だったことも手伝い、みんなもう本人だろ……と何度も感じた。しかも目の前にいらっしゃるので、ちょっと言葉に詰まるくらい感激してしまった。

 

演奏シーン。特に印象深いところについて書く。

廣井のお姉さんとの路上ライヴ。

うつむきながら弾くぼっちちゃんとは対照的にお姉さんは終始視線を送っていて、呼吸を合わせながら演奏していることと、あとお姉さんの力量(ぼっちちゃんよりも場慣れしている様子とか)もよく伝わってきた。

 

STARRYでのライヴ。

「ギターと孤独と蒼い惑星」

ここは「パッとしない」演奏のはずなのだが個人的には普通に楽しんでしまっていた。アニメでは喜多ちゃんが(たぶん)音を外したり楽器同士のタイミングがズレたりしていた(はず)だけれども今回は特にそういうことはなかったのではないかと思う。

その後のぼっちちゃんの独白にも正直「言うほどか?」という感じだったが……

「あのバンド」

ぼっちちゃんがイントロで発破をかけてからの雰囲気の変化が文字通り肌で感じ取れた。演奏の動きや表情が見るからにイキイキとしているし、音を聴いていても感情の乗り具合とでも言おうか、曖昧な表現で恐縮だが、もう全く違う。

表情に関して言えば虹夏ちゃんの笑顔が特に印象深かった。もう、あの、まさにキラキラという感じで本当に楽しそうなのだ。私も「ぼっち・ざ・ろっく!」の世界にいるかのような舞台特有の臨場感も相まって、わけのわからぬ気持ちが否応なくこみ上げ、気がつけば涙を拭っていた。

そこを自分の言葉にしていくのが元々このブログの意義であり軸がブレるようで申し訳ない限りだが、あの場においては理屈で測れない根本的なエネルギーのようなものを強く強く感じた、ということでどうか勘弁願いたい。あと生演奏だとドラムが一番音でかいので、そこも良かったよね……

「青春コンプレックス」

先に述べたような状況でさらにもう1曲演奏してくれるのは贅沢と言うほかなく、あっさり書いているが非常に快い体験であった。

 

(追記)アンコール。

Distortion!!」

ちょっと幸せすぎて記憶が飛んでいたのだが、肝心な曲について記さなければならない。

序盤の嘘エンディングが完璧に再現されていて笑ったあと、まさか生演奏してくれるとは思わず、とても嬉しいサプライズとなった。もともと「結束バンド」の中でも大好きな曲であり、結婚式にお呼ばれしたとき以来の「世界の中心がここにある」感覚に陥った。

悪いことは言わないからもう一度聴いとけ、な?

www.youtube.comわかったか。アッハイ……

 

蛇足とか

このあと打ち上げのシーンで終わるわけで、これは私に言わせれば「虹夏ルート」であり、個人的な推しの面でもいいところを重点的に見せてもらえて良かったことだなあ。

そんな感じで、2.5次元というのはどんなもんだろうと不安も多少あったけれども行ってみたら言うことなかったです。最高。円盤も買ってもいいかもしれないという気にすらなっているのに自分でも驚きである。

ただめっちゃお金かかるけど……それ込みでも内なる欲求に従って良かったなというところ。

ありがとうございました。