今回は虹夏視点(セリフはすべて仮)
前回のデートの意趣返し ギターヒーローさんの収録を見学しよう
「ぼっちちゃん、もう垂れ幕はいいからね。普通にしててね」
「あっじゃあ部屋の飾り付けだけ」
「それも大丈夫。普通にしててね」
「あっはい……」
「ちょっと残念そうで草」
「ひとりちゃんもお泊まりが楽しみなのよね」
(こくこく)
金曜の練習終わり、ひとりの帰宅に同行
一週間前より計画、星歌と後藤家には連絡済
「ぼっちちゃん」と呼んでいることについて確認→親公認
「私、家だとけっこう没頭しちゃうタイプなので、退屈させちゃったらすみません。もしお気づきの点などございましたら……虹夏ちゃんが最優先ですので……!」
「いや硬いって! でも、なんかぼっちちゃんらしいかも。んふふ」
「は、はい。恐縮です……?」
「わかったよ。言いたいことができたら声をかけるようにするね。でも、ぼっちちゃんからは話しかけてくれないのかな?」
「アッそれは……けっしてそのようなことはなくてですね」
「あはは、大丈夫大丈夫! いつも通りでいてくれたら、私はそれが楽しみなんだから」
「そ、そういうものでしょうか?」
「そういうものなの」
着いたら夕食(唐揚げパーティ)
両親と虹夏の会話
・いきなり長丁場ですがよろしくお願いします
・こちらこそ、ひとりの貴重な友達にはぜひ楽しんでほしい
・ひとりは普段から虹夏の話ばかりしている(やや大げさに)
収録は土曜朝より
「あしたはよろしくね、ぼっちちゃん!」
(これは絶対に寝坊できないぞ)
朝は和食
食後、少しまったりしてから収録 父母が洗濯物を干している
今回、虹夏の方から歩み寄ってくれて嬉しいが、見学だけで楽しませられるとは思えない
「あっあの、虹夏ちゃん。よかったらギターに合わせて歌ってみませんか」
「えっ、私も? 聴いてるだけで十分楽しいし、あと私あんまり上手じゃ(喜多ちゃんの方がという気後れ)」
「収録も終わりましたし、ほんの遊びです。私のことはカラオケ音源くらいに思ってもらえれば……! ど、どうでしょうか」
「うーん、ぼっちちゃんがカラオケ音源なんてことはないけど……それならお言葉に甘えちゃおうかな。実は気に入ってる動画があって……」
ということで即興のリクエストコーナーが始まった
歌っているうちに楽しくなってくる虹夏と、見守るひとり(言い出してよかった)
(気持ちが共鳴する様子を両方の視点から書けないか?)
そうこうするうちにお昼に
降りていくと後藤夫妻が食事の支度をしている(焼きそば)
ふたりとジミヘンにも人気の虹夏、なぜか得意げなひとり
みんなで少し昼寝→虹夏は持ってきた宿題を片付ける
「ぼっちちゃんの部屋ってさ、勉強には使ってないよね」
「なっなんでわかるんですか。エスパーですかっ」
「まあ見てればね。ほら、わかんないところあったら出して! 先輩が教えてあげよう」
夕方
撃沈するひとり、手持ち無沙汰になった虹夏、夕食の支度をする父母
手伝いを申し出るが「まだお客さんだから」と断られる
虹夏、少ししゅんとする
「それじゃあ……次また遊びに来てくれたら、その時はお願いしようかな」
「! (ご迷惑でなければ喜んで/ぜひ行きたいです! 的な)」
「迷惑なんてひとつもないのよ。虹夏ちゃんはほんとにいい子ね~」
整っていく食卓を見ながら家族について考える虹夏
夕食はホッケの開きと季節のお惣菜
「また来たい」と言っていたことを聞かされ復活するひとり
「ほっ本当ですか。また……来てくれますか」
「どうしようかな。ぼっちちゃんはそうなったら嬉しい?(笑)」
「もちろん嬉しいです! 虹夏ちゃんさえ……その、いやじゃなかったら、ですけど」
「そ、そっか」
「……」
「ごめん、ちょっといじわるだったよね。私も今回すごく楽しかったし、こっちからお願いしたいくらい」
「!!」
風呂上がり、朝の収録分をアップロードし次の曲を練習するひとり それを見ている虹夏
「ぼっちちゃんのおうちってさ、あったかいね」
ひとり、「別に普通です」と言いかけて伊地知家の事情に思い至り慌てる
「ああその、気を遣わせたかったわけじゃなくてね。うう、今のは私が悪い……」
「あっ、私も……虹夏ちゃんじゃないですけど、言いたいことわかるような気がします。さっきも『また来たい』って言ってくれましたし……気に入ってくれた……ん、ですよね」
「うん、その通りだよ」
「だったら! それこそ遠慮なんてしないで、何回だって来てください。ちょっと遠いかもですけど」
「ありがとうね。時々……また甘えさせてもらっていいかな」
「もちろんです。えへへ、私も虹夏ちゃんと過ごせるの、楽しみなので」
(またもうこの子は! もう!)
翌朝 スッキリした顔の虹夏
朝食はホットドッグ
父母の買い出しのタイミングで虹夏を駅へ
「あの、今回は本当にありがとうございました」
「いえいえ~こちらこそ、なんのおかまいもできず」
「そっそんなとんでもない! それで……ゆうべ、ぼっちちゃんとも話したんですけど……」
「ああ、僕らも歓迎するよ」
「にじかちゃん、また来てくれるのー?」
「う、うん。ふたりちゃんも、また遊ぼうね」
(せっかく来てくれた虹夏ちゃんが取られてしまう!?)
「ふたり。あんまり虹夏ちゃんを引っ張っちゃ迷惑だから……」
「大丈夫だよ。ぼっちちゃんから離れていったりしないって」
「虹夏ちゃん、やっぱりエスパーです……」
電車に乗り込み、今回のことを振り返る虹夏
・先輩らしくないところをたくさん見せてしまった……(家ではやはりお姉さんなひとり)
・一緒に過ごすと気持ちが伝わってくる
・たぶんだけど、生まれたての初恋を私にくれようとしている
・私は? どうしたいのだろう?
(終わり)