心の垢離

さしずめ文章の家庭菜園のようなもの。

【忍殺】ニンジャスレイヤーTRPGで遊ぼう その2

ドーモ、ネムリヤモリです。

 

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(これまでのあらすじ)ソウカイヤのニュービーニンジャ・デイフラワーは龍歴院への出向を命じられ、ひと月あたり100万ゼニーを上納するなどの過酷なクエストに従事していた。

バイオ水牛めいた鏖魔との壮絶なイクサや平行世界の狩人との一期一会のユウジョウなどさまざまな経験を積んだようだが、あくまで本業はヤクザ……ではなく、憑依時に失われた宿主の人格探しである。

しばらくぶりにネオサイタマへ召還されたデイフラワーの、次なる任務とは?

 

 

前回:

kokokori.hatenablog.com

 

 

はじめに

ニンジャアトモスフィアの短期間での大量摂取は危険なので控えていたけれども、欠乏してしまうのはよろしくありません。

機を逃しまくった感は否めませんが、3月のネタをいまここで消化していきたいと思います。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

わかりやすい遊び方はこちら:

https://diehardtales.com/n/nd5ae0d20d7f4

 

 

このサイコロ振るだけでニンジャになれるっていうの、本当に画期的です。

 

キャラ作成パート

看板ニンジャのデイフラワー=サンは前回爆発四散してしまったので、新しいデイフラワー=サンを用意します。ここは賛否あるかもしれませんが、たどりうる可能性のひとつという説を「心の垢離」では採用しています。

 

ニンジャネーム:デイフラワー

◆忍◆ ニンジャ名鑑【デイフラワー】 ◆殺◆

ニンジャソウルとそのジョルリ人形からなるソウカイ・ニンジャ。

ソウル意志が主導権を握った稀有な例だが、そのことを知る者は少ない。

任務中に消息を断ったヘルカイトの様子を見に行く。

【カラテ】: 3
ニューロン】:6
【ワザマエ】: 1
【ジツ】: 0
【体力】: 3
【精神力】: 6
【脚力】:2
初期装備:ZBRアドレナリン注射器
サイバネ:戦闘用バイオサイバネ(左腕に仕込んだ、毒が滲み出す骨の刃とします。論理トリガーで出し入れが可能です)

 

相変わらずワザマエに優れないニンジャですが、今回はハンター活動の経験もあってか、気力が実際充実しているようです。前回の反省を踏まえてカラテ戦闘に備えたサイバネも導入し、準備が整いました。ローンにはもちろん返済の義務が生じます……カラダニキヲツケテネ!

 

本編開始な

 

 

「というわけで、今はおまえが適任だ。まあヤバイと感じたら断っても構わんが、スコアが欲しいんなら飛び込むべきだろうな。せっかくの機会だろ?」

 

ハッカーは言うだけ言ってIRCを切断した。彼としては本当に、誰が行こうと問題ないのだろう。ただ近くにいたから。最初に連絡を受けたのはそれだけの理由。このようにケチなビズが回ってくるのはチャメシ・インシデントだが、断る選択も提示されるというのは珍しい。

 

すなわち、実際危険であり、承知で引き受けたという言質を取られる格好だ。しかし結局のところ、デイフラワーは引き受けることに決めた。

サラリマンめいた出世争いに興味などないものの、組織での覚えはやはり重要だ。ネオサイタマに呼び出されたのは報告のためだが、バカ正直にとんぼ返りするのも芸がない。

 

「『欲をかいた者から死ぬ』とミヤモト・マサシは言いますが、本当に危なそうなら引き返してくればいいんですから」自らに言い聞かせるようにつぶやいたデイフラワーは、慎重な足取りでマグロ廃工場へ向かった。

 

【コーポレーション・オブ・ニンジャ】

 

 

 「たかだか廃工場の警備にあれほどの武装……むしろ、調べてくれと言わんばかりですね」

 

【ワザマエ】判定1回【4】以上:【3】

 

「イヤーッ!」デイフラワーはスリケンを投擲!しかし命中せず、スリケンは虚空へ消えてゆく。ニンジャにあるまじき粗末なワザマエだ!「アッコラー……?」そのさまを訝しんだクローンヤクザがデイフラワーを発見!

 

ニューロン】判定6回【4】以上:【6】

 

「イヤーッ!」デイフラワーは集中した。次の瞬間!主観時間が泥めいて鈍化し、飛来する銃弾も限りなく遅くなる。この日は移動日であり、大して仕事をしていない彼女は精神的に余裕があったのだ。ゆっくりと伸びてくる射線を見切り、悠々と回避した。

 

眼の前の存在がニンジャであることを悟ったクローンヤクザは、しかし臆さずに射撃を続ける。デイフラワーは銃口の向きを完全に把握し、回り込むように接近する。そして左腕から武骨な刃を展開させた。何らかの危険な液体が滴るそれを、過たずクローンヤクザの首に……差し込んだ!「イヤーッ!」「グワーッ!」

 

 

クローンヤクザが身につけていたのは、「罪」「罰」の文字があしらわれた禍々しいバッジだ。このマグロ加工廃工場はその実、ソウカイヤと敵対するザイバツ・シャドーギルドのアジトなのだろう。そして、ここにヘルカイトが囚われているとすれば……

 

「そんな、ヘルカイト=サン……!」デイフラワーは飛躍するイメージから逸る気持ちを懸命にこらえた。罠かもしれないし、あるいは既に手遅れである可能性もある。このまま慎重に進むのが最善。ヘルカイトがこの先にいるとして、同じように囚われてしまっては元も子もないのだから。

 

【カラテ】判定3回【4】以上:【2,5】

 

デイフラワーは工場内の警邏クローンヤクザを再び骨の刃で仕留めた。やはりスリケンよりも接近戦の方が性にあっているようだ。帰国に備えて特注した新しい得物の具合に、思わずうなずく。

 

【NINJASLAYER】

 

アジトとはいえ、実際に使用されているのは一部なのだろう。ほとんどの階はマグロ加工設備をそのまま残している。そして広い。クローンヤクザの他にはさしたる手がかりもなく、時間ばかりが過ぎてゆく。

 

 

「『本当に危なそうなら引き返せばいい』と言いましたが……」デイフラワーは当初の発言とここまでの経過を振り返った。順調そのものだ。そして集中力にもまだ余裕がある。「今夜のわたしは、なんだか冴えています。行きましょう」

 

 【ニューロン】判定6回【5】以上:【4,2,5】

 

デイフラワーは机に向かい、UNIXとLAN直結した。

 

0100101110……

 

デイフラワー、つまりこの肉体を操縦しているニンジャソウルは、かつて神秘的な黄金の小径を通って現代のネオサイタマへやってきた。その記憶を保った彼女はいま「見えている」光景に懐かしいものを感じ、そう感じたことを自然に受け入れていた。

 

元の持ち主であったオーエルも、IRCのやりすぎで自我を崩壊させたようだ。「わたしたちは、この妙な空間に縁があるのかもしれない」頭上で謎めいた立方体が回転するのを感じながら、正解のない問題に思いを巡らせる。手は休めない。

 

敵地にあって侵入者の考慮をしていないということもないだろうが、UNIXのセキュリティは存外に手薄だった。デイフラワーは防壁の存在をまったく意識せず、正当な管理者であるかのように振る舞う。めぼしい情報の有無を走査し、出力の手続きを実行した。

 

0111010010……

 

目を開いた。まだ何秒も経っていない。ハッキングに成功したが、パンチシートの排出は始まったばかりのようだ。デイフラワーは鼻血をぬぐって息を吐き出し、改めて部屋を見渡す。

 

 

「わたしにこんな才能があっただなんて、想像もしませんでした。今回の任務はいい感じですね」ほのかな熱と高揚にうながされるように、デイフラワーは鉄扉の奥へ進んだ。

 

 

「ヘ、ヘルカイト=サン!よかった……!」デイフラワーは目的を果たした喜びに震えながら、同時に恐ろしいイメージが脳裏をよぎるのを感じた。

 

 

何のためにここまで来たのだろうか。考えるまでもないが、ふと意識してしまうこともある。こういう選択を「することもできる」と。

 

彼女は骨の刃を延ばした。そして、当然……

 

「イヤーッ!」牢屋の錠を切断した!「ドーモ、ソウカイヤのデイフラワーです。たいへん遅くなりました」

 

 

デイフラワーは飛び去るヘルカイトを見た。威圧的な「おまえを見ている」のショドーも、今は痛々しい。そして愚かな想像をした己を恥じた。

 

 

 

「ドーモ、デイフラワーです」アイサツを返しながら、デイフラワーは再び己を顧みた。「今夜は冴えている」などとうぬぼれ、引き際を見誤った己を。ニンジャの世界には、後戻りできない状況というものも確かに存在するのだ!

 

 【ニューロン】判定6回 【4】以上*2回:【5,6】

 

「イヤーッ!」デイフラワーは集中した。次の瞬間!主観時間が泥めいて鈍化し、襲い来る拳も限りなく遅くなる。ゆっくりと、しかし容赦なく伸びてくる死線を見切り、回避した。タツジン!ブラックドラゴンがわずかに目を見張る!

 

 【ワザマエ】判定1回【4】以上:【6】

 

デイフラワーはこの日一番の冴えを見せた。「イイイヤァアアアーーーッ!」それまで試みたこともなかった連続側転を打ち、ヘルカイトを見送った際に閉めた窓を自ら蹴破った!

 

 

窓から身を乗り出すブラックドラゴンの暗い瞳を見た瞬間、デイフラワーのニューロンは場違いにも先程の続きを始めた。己はなぜここへ来たのか……引き際を誤った結果どうなったのか……誰と出会ったのか!

 

 

(((ヘルカイト=サン!?トコロザワに戻ったのでは?)))デイフラワーは落下しながらなおも考える。ヘルカイトは当然、ブラックドラゴンの存在を認知していただろう。だがそれはそれとして、ザイバツの侵攻を一刻も早く報告しなければならない。そこを敢えて待った意図。「借りは返したぞ」という発言。正解のない問題。

 

 

Cパート

 

あれだけの窮地を切り抜けたにもかかわらず、デイフラワーの表情は晴れない。確かに喜ぶべき成果だが、元々抱える問題は何も解決していないのだ。ラオモトにドゲザしながら、彼女は黄金の立方体のことで頭がいっぱいだった。

 

ただ、急いでどうにかなるものでもない。結局は慎重に進むしかないのだろう。マグロ加工廃工場に侵入した時のように。そして万札があれば、自我科を受診することもできる。

 

 【万札】+12、【名声】+3

 

「サイバネの工房へ入金したら龍歴院に戻りましょうか、それともネオサイタマでのミッションをもう少しこなしてから……?なんにせよ、わたしにはカネが必要なんですから」トコロザワ・ピラーを後にしたデイフラワーはひとつうなずくと、廃人と化したオーエルの肉体を引っ張って飛び上がり、ネオサイタマの闇に消えた。

 

【コーポレーション・オブ・ニンジャ】終わり

 

おしまいに

えー、率直に言って順調すぎるのもアレですね。でもまた爆発四散しなくて良かったです。ただ【6】の値がニューロンだったので、頭でっかち系ニンジャとしていろいろと考え込んでしまう、変な一面を見出すことができました。

次回のシナリオがもう公開されていますが、今回のデイフラワー=サンに続投してもらう予定です。

 

ところで、念願のPS4を手に入れました! やったー!

この記事を投稿したら、さっそくセッティングにかかります。

 

それでは。