▲前回の投稿から3ヶ月くらい空いてしまったが、やっと新作ができたのでいつもの振り返りを行う。投稿日は9月30日とあるが、これは下書きを最初に作成した日時であり、実際の完成と投稿は11月17日
まずなによりも、今回はとても難産だった。
▲お話の枠ができたのが9月はじめ、この時点で前回から1ヶ月以上空いている。しかもまたオチを考えていない。今見ると本当にメモ書き程度でしかなくて笑ってしまった
これまでも頑張って書いてきたものの、私が見たいところまでいつまで経ってもたどり着かないのがもどかしく、細かいこと考えずにひたすらぼ虹がイチャイチャする様子を衝動的に書きたくなった。そうして出来上がったものがこちら、というわけだが、フタを開けてみれば地の文の書きぶりがどうの、視点の一貫性がどうのと細かいこと考え通しであった。そもそも二人しか出てこないお話なんだから視点なんか散りようがないのは、まあそう。
お話やタイトルを考えるのが相変わらず絶望的に下手くそ。このへんもうちょっとどうにかならないか。
今回は一足飛びに交際が始まっている状態なので、二人がどんな付き合い方をしているかまず想定する必要があった。古の文化「うちのカップリング紹介画像」的なやつも作り、私の中のぼ虹と改めて向き合う。やっぱり設定は最初にしっかり詰めておかないとね……。
普段から考えておけばどうということもないのだろうが、私の幻想は都合のよいところしか見せてくれないので、(幻想に導かれたシーンはどんどん書けるけど)個々のシーンを繋ぐ流れやその他細部は手動で(シラフで)ひねり出さないといけない。両者の温度差というか、勝手に筆が進む箇所とそうでない箇所が今回もあったかなと思う。出来上がりを見ても、お話を進めるための説明臭い/なんというか魂の入っていないセリフがどうしても出てきてしまい、今後の課題であるように感じた。
それから、試験的に地の文の形式を変更した。それまではいわゆる「一人称多視点」というやつで、視点が増えると読む側は混乱しやすいということのようだ。個人的には一人称の視点は書きやすく気に入っていたのだが、今後どうするかも含め、三人称(限定視点)も一度試してみたかった。そのへんの感触も確かめたかったが、未完成な状態で他所様の目に晒すのも申し訳なく、時流に乗ってチャットGPTに添削をお願いした。
するとどうだろう。曰く視点の破綻はないとのことで、まずそれはよかったのだが、「会話の自然さやキャラクター同士の掛け合いが生き生きとしていて、視点を維持しながらもテンポよく進行している点が素晴らしい」とか「ひとりの不器用ながらも一生懸命な姿勢と、それを見守る虹夏の優しさが魅力的」とか、こちらの意図を汲んだ百点満点の感想をくれるではないか。これはどうしたことか。(失礼ながら)読み取りの精度が思ったより高いことにも驚いたし、感想の部分も、そこまでの仕上がりになっていると書いた者自身が思っていないところまで言うために「褒め殺しか」と疑ってしまうくらい褒めてくれるので参った。
ということではあるが、三人称視点の書き方が手足のように身についた感覚はまだない。フォーカスした登場人物の背後にいるカメラマンの視点だと思っているので、登場人物の心の中をどの程度見通すことができるのか(一人称でないと言及できないエリアがあるのではないか)、まだ探り探りという感じ。「一人称視点は個人的に書きやすい」と言ったのはこのことが原因で、特に後半はいつも以上に書いては消しで時間を食ってしまった。
そんなわけで完成したものを例のごとくpixivに投げたところ、(もちろんドングリの背くらべ状態ではあるが)ブックマークの数はこれまでで最もよい調子だ。誤解のないように付け加えておくと、私の中の幻想に形を与えて出力する、思い通りのものを作る、ということが重要なのであって、その後に続く出来事は全ておまけに過ぎない。特に評価なんて気にしても疲れるだけなのはわかっている……十分わかっているが、やっぱり数字として出てくる以上、気にしないのも難しい。
このあたりの付き合い方も考えていかなければならない。特に投稿した日は気になりすぎて毎回よく眠れないので、普通に悪影響の方が大きいまでありそうだ。
そしてまた悩ましいのが次回のお話だ。これまでのシリーズは「最終的にぼ虹が成立するまで」のつもりで書いてきたわけで、それを進めるか、あるいは今回のように単発でやっていくか。ちょっとまだ決めかねる。
終わり。