心の垢離

さしずめ文章の家庭菜園のようなもの。

ファンレター・フォー・シモツキン

このたび生まれて初めてファンレターを書きたい気持ちになり、下書きがてらここに残しておくことにした。

察するに、ファンレターは書いて出すということにこそ意味があって、最悪ご本人様の目に触れることがなくともすでに役目は果たしているくらいの立ち位置なのだろう。とはいえ出して終わりだとこちらも寂しいので、書いた証というか、控えみたいな側面もある。

基本的に当事者同士のものであり公開するものではないだろうけど、この記事はそういった趣旨なのである。

以下本文

霜月はるか

はじめまして。10周年ベスト「MESSAGE SONGS」を聴いて初めてのファンレター作りを決めたネムリヤモリと申します。

私はもともとSound Horizonのファンで、「Chronicle 2nd」や「霧の向こうに繋がる世界」などで霜月様のことは認知していました。先日久しぶりに「海の魔女」を聴いた際、「相変わらずいいな」と感じるとともに、友人の間でも「しもつきんはいいぞ」と噂になっていたことからふと興味が湧き、他の曲、とくにオリジナル曲にも触れてみたくなったのです。

そんなわけで「MESSAGE SONGS」を手に取ったのはたまたまですが、買って後悔しないばかりか人生に残る名盤と言っても言い過ぎではない、素晴らしい出会いになりました。このことに感謝を申し上げたいと考え、筆を取った次第です。

アルバムを通して歌声と旋律と詩が一体となりこちらの心に伝わるこの上ない体験。何度リピートしても全く飽きませんが、特に初回の感動はどう表したらよいか迷うほどでした。中でもお気に入りは「あしあとリズム」と書きおろし曲の「Melody Line」です。まず前者はサビの美しいメロディが印象的で、思わず乗ってしまいたくなる楽しさがあります。詩も前向きで、まさに俯いた気持ちを救う力を感じます。後者の詩はおそらく個人的なことに言及していらっしゃると思うのですが、最後のサビの「音楽がくれた宝物」というところについては(私にも少しだけ楽器の経験があるため)勝手に共感してしまい、今までのことを思い出さずにはいられませんでした。

もちろん他の曲も好きで、挙げればキリがありません。聴けばその分味わい深く、なかなか次に行けないほどですが、今後は10周年ベストの他のアルバムや、主題歌を担当されたゲームなどにも手を伸ばしてみたいと考えます。

素敵なメッセージを届けていただき、本当にありがとうございました。

これからもどうぞ健やかにお過ごしください。

2022年4月11日

 

追記

清書が思ったより億劫で一週間くらい寝かせたのち、細かい言い回し等多少変えて投函した。

返ってこないところを見るとおそらく届いたのであろう。恐ろしいことだ。

最初に述べたとおり、出した時点で手紙は役割を終えている……のだが、ご本人のTwitterをチェックしては「言及してくださってはいないか」と分不相応な期待をしてしまうので我ながら嫌になる。そんなつもりで書いたのではないのだ。伝えたい気持ちがあったのは事実だけれど、それを伝えるのが正解かはわからない。

どうか迷惑にならないよう伝わってほしいと、厚かましくも願ってやまない。